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上席主任研究員 橋本 公秀
認定支援機関の申請資格を取得

中小企業を巡る経営課題が多様化する中、中小企業を支援する担い手の活性化を図るため、平成24年8月に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対し専門性の高い支援事業を行う「経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)」を認定する制度が創設された。認定支援機関とは、税務、金融及び企業財務など専門的知識や実務経験が一定レベル以上の法人等に対し、国が認定する公的な支援機関のことである。

当研究所も認定支援機関を目指し、私は独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小企業大学校)が主催する「中小企業経営改善計画策定支援研修(理論研修・実践研修)」を受講した。本稿では、認定支援機関申請の資格を取得するまでの日々を振り返る。

この研修は、理論研修が1月~3月にかけて17日間行われ、かつ最終日に専門的知識判定試験を実施。合格した者が、次の実践研修(2日間)を受講できるシステムになっている。1日の講義時間は午前9時から18時まで。受講生は40人ほどで、うち8割は中小企業診断士、残りが公認会計士や税理士と有資格者が多かった。講義は企業財務等の座学やグループワークによる経営改善計画書の策定等、ハードな内容であった。特に最終日は、グループごとに作成した経営改善計画書の発表後、夕方から専門的知識判定試験(90分)があり、終了後の疲れは相当なものだった。

試験から10日前後で合格通知が届き、ほっとするのも束の間、6月に実践研修(2日間)が控える。この研修の最終日に行われる実践力判定試験に合格しないと認定支援機関の申請資格を取得できない。事務局によるとこの試験は、3割前後の者が不合格になるクラスもあったとのこと。油断は禁物で、もう一頑張りが必要と自分を叱咤激励した。

6月の実践研修は、懐かしい顔ばかりで楽しく過ごすうちに1日目が終了。2日目の朝、各個人が経営改善計画書を提出するという課題が提示され、提出時刻まで全員が集中して取組んだ。

そして夕方には実践力判定試験。試験は3期分の決算書を比較する経営分析や実態BS作成など90分の試験時間をフルに使うほどの内容だった。2週間後、合格通知が届き、やっと肩の荷が下りた。今後は速やかに認定手続を終え、晴れて認定支援機関として中小企業のお役に立てる日が待ち遠しい。

投稿者:上席主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2017年8月
上席主任研究員 橋本 公秀
現状のままでは理解し難いコリジョンルール

今シーズンからプロ野球で導入されたコリジョンルール。コリジョンとは衝突という意味で、本塁でのクロスプレーによる危険な接触を避けるため、本塁へ走るランナーがキャッチャーに体当たりすることを禁止するとともに、キャッチャーがホームベースをブロックすることを禁止している。このためキャッチャーは、本塁でのタッチプレーの際、本塁をまたがずにランナーの走路を必ず空けておかなければならない。

確かに昨シーズンまで阪神に在籍していたマートン選手が、完全にアウトのタイミングにもかかわらず、キャッチャーに体当たりするシーンは、何度か見たことがある。阪神ファンである私でさえ、激突されたキャッチャーの怪我を心配したものだ。選手の怪我防止のためにも必要なルールであることは理解するし、そもそも選手生命を脅かす危険な行為を禁止するルールは必要だ。

しかし、明らかにアウトのタイミングで、しかも何の衝突も起きていないプレーまで「ビデオ判定」の結果、セーフとなった5月11日の阪神×巨人戦(甲子園)での判定は特に理解し難い。この試合後、2塁塁審の責任審判が「キャッチャーが最初から走路に立っていたのでルールを適用した」と説明している。それならどうして最初にアウトと判定したのか?これがコリジョンルールだと言えばそれまでであるが、完全なアウトのタイミングでキャッチャーが捕球し、適切なタッチプレーが行なわれたのであればアウトと判定されるのは当然だ。そんなプレーまで「ビデオ判定」の結果、セーフに覆るのはおかしい。

コリジョンルールは、アウトのタイミングなのにランナーがわざとキャッチャーに体当たりしセーフになろうとする行為、またキャッチャーが走路をブロックしてアウトにする行為を禁止するためのルールだと思う。阪神×巨人戦でのタッチプレーにはそのような行為はない。このプレーにコリジョンルールが適用されるのであれば本塁上のクロスプレーを2度と見ることができないだろう。

さすがに日本野球機構(NPB)も後半戦には、コリジョンルールの一部を見直す予定(7月18日現在)となっている。優勝争いが熾烈になる8月、9月には、スリリングなプロ野球観戦ができることを期待したい。

投稿者:上席主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2016年8月
上席主任研究員 橋本 公秀
首を傾げたくなる判定が多かったプロ野球セ・リーグ

7月末時点で、6チームが3ゲーム差と大混戦だったプロ野球セントラルリーグ。かつてないほどに白熱したゲームが続いていたかのように見えるが、ゲーム差ほどワクワクした試合が少なかったと感じる。

確かに贔屓チームがチャンスの時は、手に汗握ることもあったが、今年はその回数が少なかった。原因は、昨年に比べ広くなったストライクゾーンにある。特にアウトコースのストライクゾーンは明らかに広くなった。打者が「よし、外れた」と見送ったボールに球審の手が上がることが多かった。

試合時間短縮のための策として、日本野球機構が決めたことなのだろうが、球審の判定一つで、折角の盛り上がりに水を差す試合が多かったように思う。終始一貫してアウトコースのストライクゾーンが広いのなら納得するが、試合終盤に狭くなるストライクゾーンなど、同じ試合で一定しない判定がゲームを白けたモノにさせた。ストライクゾーンを広げるなら、審判員のレベルを統一してから、実施すべきだったと思う。

首を傾げたくなる判定と言えば、5月4日の広島-巨人戦のサヨナラインフィールドフライもひどかった。簡単に状況を説明すると、9回1死満塁で広島の打者がホームベース付近に飛球を打ち上げた。捕球しにきた巨人の3塁手と1塁手がお見合いし、ボールはグランドに落下。慌ててボールを拾い上げた1塁手がホームベースを踏んだ。その時、球審は右手を高々と上げアウトのコールをしたため、ダブルプレーを狙った1塁手が1塁へ転送した。この処理は野球人として当たり前のプレーだと思う。

また打球の行方から3塁ランナーは、普通、帰塁する(ボール捕球時にゲームは再開)が、「インフィールドフライの声が聞こえなかった」ということで、ボールがグラウンドに落ちたのを見てホームに突っ込んだ。ボールの近くにいた球審がインフィールドフライを宣告すべきところ、1塁手がホームベースを踏んだ時にアウトの判定。しかし3塁塁審がインフィールドフライを宣告(3塁ランナーが聞えない程度のジャッジ)していたため判定が覆り、ホームインが認められ広島のサヨナラ勝ち。お粗末な結果に開いた口が塞がらなかった。今年を締めくくる日本シリーズでは、白熱した展開に水を差す判定は控えてほしい。

投稿者:上席主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2015年10月
上席主任研究員 橋本 公秀
球史をぬりかえた和田・阪神の大勝利!

今年のプロ野球は、日本シリーズでソフトバンクが4勝1敗で阪神を下し、3年ぶりの日本一となり幕を閉じた。阪神ファンである私には、少し残念な日本シリーズであったが、セ・リーグのペナントレースの結果は2位。「日本一」は来年に期待するとして、クライマックスシリーズ(以下、CS)の戦いを振り返ってみたい。

昨年までの阪神のCSの戦績は1勝8敗。毎年、秋頃の勝負弱さには目を覆いたくなるほどで、去年の3位広島との戦いは、思い出すのも腹立たしいほど、ぶざまな負け方で終わった。

しかし、今年はファーストステージ、ファイナルステージ(以下、ファイナルS)とも負けなしで通過。見事9年ぶりに日本シリーズに進出した。特にファイナルSの東京ドームでの戦いは、4連勝で巨人を圧倒し、阪神ファンには夢のような結果となった。

なぜなら、巨人を倒しての日本シリーズ進出は、阪神の球史をぬりかえる大勝利だからである。2リーグ分立後、阪神が巨人と争って覇権を獲ったシーズンは1度もない。阪神優勝の5度のシーズンは、巨人が3位以下に沈んでいる。つまり巨人とのガチンコ勝負では、阪神は勝ったことがないのだ。一方、2リーグ分立後、巨人が優勝で阪神が2位のシーズンは、実に15回ある。打倒巨人こそが、阪神ファンの強い願いである所以はここにある。

過去を振り返っても、73年には直接対決の最終戦で勝った方が優勝という試合で9-0の完敗。08年には巨人に最大13ゲームの大差をつけながら、逆転で優勝を逃している。今年も8月中旬の直接対決で、0.5ゲーム差まで詰めよりながら、その後の戦いは為す術もなく突き放された。強い巨人には、全く歯が立たないのが阪神であった。期待させては負けを繰り返す阪神が、今までのファンの無念を晴らすかのように、ファイナルSでの堂々の「優勝」であった。正直、CSが始まる前は「和田監督、もう交代してくれ」と思っていたが、歴史的快挙と言える巨人を倒してのCS優勝を果たした和田采配に文句などない。それどころか星野監督や岡田監督と並ぶ阪神の球史に残る名監督の仲間入りだ。

来シーズンは、大和や藤浪の活躍に期待し、ペナントレース、CSとも宿敵・巨人を倒し、日本シリーズを制覇する、牙を剥き出しにして戦う虎の勇姿を甲子園で見てみたい。

投稿者:上席主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2014年12月
上席主任研究員 橋本 公秀
岩田投手の復活に期待

昨年のプロ野球クライマックスシリーズは、ある程度予想していた結果とはいえ、あまりに無様な負け方に、あきれ返る始末。まるで猫のような虎、言わずと知れた阪神タイガースだ。こんなチームを1年間応援していたのかと思うと、無性に腹立たしい思いを感じたのは私だけではなかったと思う。でも球春を迎えて気分一新。嫌なことは忘れ、今シーズンこそ闘志むき出しで戦うタイガースを応援したいものだ。

今期の戦力については、今は何かと期待に胸膨らむ時期でもあり、新戦力のゴメスや新人の岩貞などの若手が、スポーツ新聞の紙面を賑わしているが、私の一押しは岩田稔投手の復活だ。

ここ数年は、先発すれば早い回につかまり、その日のゲームを台無しにしてきた。特に昨年はひどく、ランナーをためてはストライクを投げ急ぎ、痛打される姿が多かった。あまりの調子の悪さに先発を外され、ほとんど2軍で過ごすシーズンだった。

しかし今年は、岩田の復活に期待したい。なぜなら彼の手元で動くムービングボールは、打者にとっては相当打ちづらく厄介だからだ。実際、打たれたヒットはクリーンヒットが少なく、外野手と内野手の間にポトリと落ちたり、ボテボテのゴロが内野手の間を抜けるケースが多い。特に打ちづらさを如実に表しているのが、彼の被本塁打率の低さだ。その数字は0.40(被本塁打数×9/投球回数)で、阪神に在籍した投球回数500回以上の主な投手の中でも、上位に位置する。阪神の現役投手の中ではもちろんトップで、岩田の上にいる投手は、球団の創生期からエースとして活躍した若林(0.15)しかいない。剛腕ストッパーの藤川(0.52:現カブス)やエースの能見(0.69)をも凌ぐ。彼のムービングボールがいかに打ちづらいかが象徴されていると思う。

復活のカギは、立ち上がりの悪さを克服できるかがどうかに懸かっている。左投手の調子のバロメーターに、サードゴロによる凡打の多さがある。岩田をリズムよく投げさせるためにも、守備の上手い選手をサードで先発させるのも一案だと思う。移籍したバルディリス(現DeNA)がサードを守っていたころは、確かにスイスイ投げていた。契約更改後の記者会見で「先発陣の柱になる」と鬼気迫る表情で話していた岩田投手。彼の復活がなければ昨シーズン以上に苦しい戦いが予想される。 (橋本公秀)



投稿者:上席主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2014年2月
主任研究員 橋本 公秀
バンコクよもやま話

タイで開催された<ナント>バンコク交流会が無事終了し、A氏とタイ古式マッサージを受けに、郊外へタクシーを走らせた。

疲れた身体を癒し帰ろうとした時、事件が起きた。A氏がタクシーの中にスマホを忘れたらしい。この店に来たのは、約2時間前。我々が降りた後、客が乗っているだろうし、ましてここは異国の地。戻ってくる可能性は低い。しかし、スマホがないと明日からの視察にも支障をきたすため、マッサージを受けた女性を通じ、マスターに電話をしてもらうよう頼んでもらった。この時、既に0時過ぎ。拾った人が善人とは限らず、しかもここはタイ。もうあきらめた方がいいのではと内心思っていると、マスターが「ノー、チップ」と叫びながらスマホに国際電話を架け始めた。日本人でも、ここまで親切にしてくれるだろうかと改めてタイ人の優しさに驚いた。電話の様子を見ていると、拾い主(ほとんど盗んだに等しい)が電話に出ている模様。「ノンちゃん」という女性で、34アベニューの「Ping(ピン)-Ping(ピン)」というお店で食事をしながら待っているとのこと。こんな時間に食事をする女性って…。職業はご想像にお任せするとして、タイ語が解らない2人が行って話しが通じるかどうか?不安を感じながらマスターにお礼を言い、タクシーを拾って34アベニューへ。

20分近く寂れた街を走り、34アベニューの看板の前で降り、食事のできるお店を見つけると、女性と見れば片っ端からノンちゃんと声を掛け始めた。しかしどの女性も首を横に振るだけ。もう無理かと思い始めた頃、若い店員が奥にも店があると案内してくれた。ドアを開けると中は薄暗く、気怠そうにお酒を飲んでいる現地の人が7~8人。緊張感が漂う中、ノンちゃんと呼ぶとタイ風美人が2人、手招きをしている。1人の女性がスマホを握っていて、A氏が自分のだと気づき、お礼を言いながら近づくと、同じテーブルに座るいかつい男性の目がギョロリ。A氏が怯むことなく100バーツ(1バーツ≒3.5円)をノンちゃんに握らせ、スマホを掴みとり、一目散にその場を離れた。もちろんスマホは無事。国によっては戻ってこないだろうし、日本でも見つかるかどうか分からない。一緒に食事をしようと座席まで用意してくれた彼女たち。タイ人って本当に優しいなあと思っていたら、A氏がポツリ。「彼女たちと食事したかったなぁ…。」(橋本公秀)

投稿者:主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2013年7月
副主任研究員 橋本 公秀
がんばれ!柴田投手

村山、江夏の頃からの阪神ファンで、もちろんアンチ巨人。

そんな私が、2011年10月の育成ドラフトで巨人に入団した一人の投手に注目している。その名は、柴田章吾投手。春先に書店で手にした1冊の本が、柴田投手を知るきっかけだった。

彼は愛知の強豪校、愛工大名電高校の投手で、2007年夏の甲子園に出場し、東京六大学の明治大学では、神宮の森を沸かせた投手である。野球エリート出身なのに、プロ野球には育成ドラフトでの入団なら、そんな大した投手でもないのでは……。

中学生の頃に患った「ベーチェット病」※の激しい腹痛や再発する恐怖と闘いながら野球エリートの道を堂々と歩んでいるところに、彼のすごさがある。

※「ベーチェット病」は、皮膚や粘膜に急性の炎症を繰り返す慢性の疾患で、皮膚症状、眼症状が主な症状。腸の潰瘍などの副症状もある。現在も原因不明で治療法が確立していない難病である。炎症をおさえるため、ステロイド治療が施されるが、腸が薄くなるため、激しい運動をすると腸に穴があく恐れがある。そのため野球はもとより、学校の体育の授業に参加することさえ覚束ない病気である。

投手の才能を開花させた中学3年生の秋には、全国の甲子園常連校からの誘いが殺到し、甲子園がすぐ目の前にあるかのように思えた頃、彼の野球人生が暗転した。

ベーチェット病が彼を容赦なく痛めつけ、野球の練習はおろか、食事までもままならない状況に追い込んだ。普通なら、人に八つ当たりをし、自暴自棄になってもおかしくない年頃である。失意のどん底から彼が立ち直れたのは、工学博士・五日市剛氏の講演筆録にある不幸の連鎖を断ち切る『ツキを呼ぶ魔法の言葉』のおかげだ。言葉で人生が変わるならと、できるだけいい言葉を使うよう心掛け「何かイヤなことがあったときには『ありがとう』、何か良いことがあったら『感謝します』」と口に出す彼の謙虚な気持ちに、野球の神様が振り向いてくれた。

育成選手からのスタートでも彼は前向きにとらえることを忘れない。「今までの生き方を考えたら育成の方がよかったと思う。いつも自分の人生はどん底からのスタートだから、そこから立ち上がる方が自分らしい」とどこまでも謙虚で、困難と前向きに対峙する彼に感動を覚える。甲子園のマウンドに颯爽と立つ柴田投手を1塁側スタンドから応援したい。 (橋本公秀)

投稿者:副主任研究員 橋本 公秀|投稿日:2012年8月