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ビジネスセミナー
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「営業ヒアリング術養成講座」
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2025年5月8日
「ナント経済月報5月号」発刊。
奈良県の経済、大阪府の経済、京都府の経済を更新しました。
第203回地元企業動向調査(2025年1~3月期)および
付帯調査「女性活躍推進への取組状況について」を発表しました。
粋なら(奈良の風景)
青空と白い岩肌が作り出す幻想的な風景

どんづる峯(ぼう)
(香芝市)

奈良県香芝市に火山活動で出来た「どんづる峯」と呼ばれる奇勝があります。この奇妙な名称は、白い岩肌が一面に広がる様子が、遠くから眺めると「鶴が屯(たむろ)している」ように見えることから付いたとされています。どんづる峯の白い岩肌は、今から千数百万年前に二上山で起こった火山活動で噴出した火砕流や火山灰などが堆積したものです。その際に形成された凝灰岩がその後の地殻変動で隆起し、さらに長い年月の間に風や雨など自然の力によって浸食され作られました。凝灰岩はやわらかい石のため加工がしやすいことから、古墳の石棺や寺院の基壇にも利用されていました。県道沿いの案内看板を目印に階段を登ると目の前に凝灰岩の白い岩肌や奇岩が広がり、まるで別世界に迷い込んだような気持ちになります。この美しくも珍しい景観は、1978年に奈良県の天然記念物に指定されました。

また、どんづる峯の地下には第二次世界大戦終戦間際に造られた地下壕が網の目状に東西に2つ存在し、総延長は約2㎞にもなります。本土決戦を目前にした旧陸軍が航空総軍の指令所を目的として造られましたが、完成前に終戦を迎えたため一度も使われることはありませんでした。以前は一部が京都大学防災研究所附属地震災害研究センターとして利用されていました。

どんづる峯は自然が作り出す美しい景観だけでなく、戦争の歴史が残る貴重な遺跡でもあります。訪れる際には滑りやすく足場の悪い場所もあるためトレッキングシューズなどの歩きやすい靴、動きやすい服装をお勧めします。


◆󠄀どんづる峯
香芝市穴虫地内(穴虫峠から北東約350m、県道703号線沿い)
℡0745-44-3312
(写真提供:香芝市役所 商工観光課)


青空と白い岩肌が作り出す幻想的な風景

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*本ページ上部の写真は、葛城山のツツジ・御所市