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2024年2月6日
「ナント経済月報2月号」発刊。
奈良県の経済、大阪府の経済、京都府の経済を更新しました。
粋なら(奈良の風景)

志賀直哉旧居 (奈良市)

奈良公園に隣接し、若草山や御蓋山(みかさやま)の麓に広がる高畑町は、かつては春日大社の神職や多くの文化人が好んで居を構えた地域でもありました。明治時代から昭和にかけて活躍し、近代文学の最高峰と評された志賀直哉もこの地で家族と共に1929年から9年間暮らし、この家で『暗夜行路』を完成させました。

志賀直哉自らが設計したこの家は、中庭を取り囲むようにコの字型に建ち、全体的には数寄屋造りですが随所に洋風や合理的な様式が取り入れられています。志賀直哉本人は嗜まなかったものの、妻と娘たちのために作られた茶室や、当時としては珍しい大型冷蔵庫やガスコンロが設けられた広いキッチン、庭に作られた子供用のプールや、子供たちの成長に配慮し、床をコルク敷にした子供部屋など、愛する家族が暮らしやすいよう様々な工夫がなされています。

家の武者小路実篤ら多くの文化人が集まったサンルームは、中国風の床のタイルやヨーロッパ風の三つ葉をかたどったおしゃれな机、井戸型の蹲(つくばい)やお茶室の様な躙(にじ)り口など、東洋と西洋の文化が見事に調和した空間です。天窓から差し込む暖かな光の中、芸術談議に花を咲かせる芸術家たちの当時の息遣いが聞こえてきそうです。
(村井 渚)


◆志賀直哉旧居
奈良市高畑町1237-2


高畑サロンとも呼ばれた
「サンルーム」

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*本ページ上部右の写真は、明神平の樹氷・東吉野村