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壷阪寺(高取町)
奈良盆地を一望する壷阪の山に建つ「壷阪寺」は、大宝3年(703年)、元興寺(現 飛鳥寺)の弁基上人(べんきしょうにん)によって創建され、正式には「壷阪山南法華寺(みなみほっけじ)」といいます。眼病封じの寺としても知られ、眼病平癒の祈願に多くの人が訪れます。また盲目の夫・沢市と献身的な妻・お里の夫婦愛を描いた人形浄瑠璃『壺坂霊験記』の舞台としても有名です。
同寺では、日本初の養護盲老人ホームの設立やインドのハンセン病患者救済活動、教育助成事業など社会福祉活動に力を注いでいます。境内の多くの石仏は、こうした奉仕事業の縁によりインドから送られたもので、中でも「天竺渡来 大釈迦如来石像」は春には桜が取り囲むように咲き誇ることから「桜大仏」といわれ、美しい姿を私達に見せてくれます
春には、高取町の街道筋の町家や商店にお雛様を飾る『町家の雛めぐり』(令和5年3月1日から3月31日)が開催され、それにあわせて壷阪寺では『大雛(だいひな)曼荼羅(まんだら)』(令和5年3月1日から4月18日)が公開されます。礼堂や大講堂におよそ3,000体のお雛様が並ぶ姿は圧巻です。礼堂では雛飾りの向こうに御本尊「十一面千手観世音菩薩」の姿が見られます。華やかな雰囲気の中、観音様の慈愛に満ちた表情が作り出す温かい空間が、一足早い春を感じさせてくれます。(村井 渚)
◆壷阪寺(壷阪山南法華寺)
奈良県高市郡高取町壷阪3番地 ℡0744-52-2016
(写真提供:壷阪寺)

大雛曼荼羅と
本尊十一面千手観世音菩薩