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SNS時代のビジネスマナー~思わぬ炎上を招かないために~ (2019年6月)
主任研究員 八木 陽子
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近況の報告や連絡のやり取りなど現在のコミュニケーションツールとして欠かせない交流サイト「SNS※」。しかし、言うまでもなくインターネットは世界中に開かれており、個人が友達同士で楽しむつもりで送信した投稿でもあっという間に世界中に広まってしまいます。使い方を間違えると思わぬ炎上を招きかねません。

では、社会人としてSNSにはどこまで載せていいのか考えてみましょう。
※インターネット上の交流を通じて、社会的ネットワークを構築するサービスのこと。(Facebook、Instagram、Twitter、LINEなど)


■業務上知り得た情報はSNSには投稿しない

社会人のSNS利用で意識すべきことは、会社に所属することで責任が自分の会社に及ぶ点です。情報漏洩や業務遂行違反など、何かとニュースに取り上げられるSNSですが、問題になる・ならないの線引きは難しいものです。以下の例ではどうでしょうか。
❖Facebookでプレゼンの準備中の様子を公開
❖Instagramで会議の画像をアップ

プレゼンの準備を頑張っている姿をニックネームで登録しているSNSに載せること。これだけ聞くと個人の範疇とも思えます。しかし、プレゼン相手の会社や準備の進め方、載せた本人などが特定できてしまう場合、会社の機密情報漏洩になる可能性があります。実名ではないSNSでも個人名やプレゼン相手の会社名が特定できるものは、原則控えるべきです。また、画像は背景に写っているモノや人物にもチェックが必要です。もちろん、ハッシュタグなどにプレゼン相手の名前や会議名を入れるのは言語道断です。企業の特定という観点から考えますと、プロフィールに会社名を載せることは企業の特定につながるため控えた方がよさそうです。

過去には、飲食店やサービス業の従業員が芸能人のプライバシーを侵害したり、アルバイトの店員が調理器具や食材を使って悪ふざけした写真を投稿して店側が謝罪する事例がありました。「そんなつもりではなかった」としても、何気ない投稿が思わぬ結果になり、会社の信頼を失墜させ、会社に多大な迷惑をかける可能性もあるのです。基本的には、業務上知り得た情報や仕事にかかわることはSNSには投稿しないこと。職業倫理や守秘義務に触れる投稿は避けなければなりません。

SNSは不特定多数の人が見ることを認識するべきです。投稿する前に一度冷静になって内容を確認する必要があります。


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