一般財団法人 南都経済研究所地域経済に確かな情報を提供します
文字サイズ

地域企業は「地方創生SDGs」にどう取り組むべきか (2020年3月)
副主任研究員 太田 宜志
PDF版はこちらからご覧いただけます。

■内閣府が推進する地方創生SDGsとは

高度にグローバル化した現代社会において、気候変動リスクやエネルギー危機、災害や感染症の発生等が与える悪影響は一国にとどまらず、即座に世界全体に波及する。予測困難な時代に突入する中、「誰一人取り残さない」社会の実現に向け、経済・社会・環境の統合的向上を目指し国連が採択したのがSDGs(持続可能な開発目標)である。

内閣府が先頭に立って進める「地方創生SDGs」とは、SDGsを原動力とした地方創生に向けた取組を指す。その目的は、グローバルな課題をにらみつつ、日本特有の社会課題である人口減少・少子高齢化を克服し、地域活性化を実現、持続可能な地域へと変革することにある。


■達成に向けて重要な役割を担う地域企業

自治体と同様に、地方創生SDGsの達成に向けて重要な役割を担うのが、地域経済の主役である地域企業である。そこで内閣府に設置された地方創生SDGs・ESG金融調査・研究会では、地域企業の積極的な取組を金融面から支援するため、以下の施策を検討している。

①地域企業の登録・認証制度

②地域金融機関への表彰制度

③第三者機関による取組達成度の評価

地方創生SDGsは、日本の社会が抱える解決すべき様々な課題の集合体であることから、地域企業にとっての新たなビジネス機会である。同時に、持続可能性を意識しない企業は、将来的に顧客や従業員からの支持を失い、また取引先のサプライチェーンから排除される可能性も否定できない。


■地方創生SDGsは新たな三方よし

筆者は、地方創生SDGsの本質は「新たな三方よし」であると考える。すなわち①「未来よし」(将来ありたい姿からの逆算思考)、②「社会よし」(社会課題のジブンゴト化)、③「地域から地球よし」(地球規模で考え、地域から行動する)で取り組むことが、自身の成長と社会の持続可能性向上に寄与するとみている。

地方創生SDGsの達成に向けた第一歩は、自治体、企業、NPO、市民等が各々の立場を超えて対話を重ね、多様性を尊重しつつ相互に信頼を深めることである。特に地域企業においては、自社のありたい姿や果たすべき役割を他者と共有し、地域が直面する社会課題解決に向けてできることから取り組むことが、自社の存在意義を高め、地域内の自律的好循環創出にもつながると考える。


当研究所では、SDGsに関する講演や勉強会の他、カードゲームを通じて地方創生SDGsの本質を体験的に学び、未来のありたい姿から逆算して今なすべきことを考えるワークショップを、自治体や企業、各種団体の皆さま向けに開催しております。ご興味がおありでしたら、当研究所までお問合せ下さい。(TEL:0742-72-0711 担当:太田)


図

資料出所:地方創生SDGs・ESG金融調査・研究会 「地方創生に向けたSDGs金融の推進のための基本的な考え方」より引用