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「報告・連絡・相談」でコミュニケーションを円滑にする
事務局長代理 上席研究員 八木 陽子
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■仕事を円滑に進めるための「報告・連絡・相談」

新年度が始まり、新しいメンバーと一緒に仕事をする機会が増え、積極的にコミュニケーションを取る必要がある時期です。「コミュニケーションが苦手で、上手く喋れない」という声を聞きますが、職場におけるコミュニケーションの第一歩は「自分の考えや感情、情報など伝えなければならないことを相手に伝えること」、「相手が伝えたいことを的確に受け取ること」だと考えられます。組織全体が業務を円滑に進めていくためには「報告・連絡・相談」が欠かせません。

「気の利いたことを話さなければ」「場を盛り上げなければ」と気負うことなく、まずは「報告・連絡・相談」の基本を見直してみてはいかがでしょうか。

■「報告・連絡・相談」とは

「報告・連絡・相談」を簡単に説明しますと、「報告」とは「指示・命令された仕事の経過・結果を伝えること」、「連絡」とは「事実関係を関係者に伝えること」、「相談」とは「自分が判断に迷うときに、他者の意見を聞くこと」です(図表1)。

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■「報告・連絡・相談」のポイント

「報告・連絡・相談」をスムーズに行う上でのポイントは4点あります。①要点を整理して結論から話す、②事実と推測を区別する、③あいまいな表現をしない、④勝手な判断をしない(図表2)。特に、業務を進めるうちに途中でわからないことが出てきた場合や進捗が遅れており期限に間に合わない恐れがある、ミスをしてしまったなど問題が発覚したときは速やかに報告・連絡・相談をする必要があります。ミス・トラブルは放っておいても決してなくなりませんし、時間が経つほど解決が困難になります。

図

また、相談をする際には、状況を説明するとともに自分の考えや解決策を準備しておくとよいでしょう。そうすれば相手に「相談といいながら、自分の考えもなく丸投げだ」との印象を与えることもありません。そして、アドバイスをもらった時にはきちんと結果報告をします。

「報告・連絡・相談」を行うことは、組織にとって重要なだけでなく、「問題解決が進む」「上司から仕事のやり方を教えてもらえる」「新たな発見がある」など自分自身にとってもメリットがあります。「言わなくてもわかるだろう」「自己完結したい」など自分勝手な考えは慎み、「報告・連絡・相談」を使いこなして円滑なコミュニケーションに努めましょう。