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自転車運転罰則強化について
事務局長代理 主任研究員 岡村 俊幸

■罰則強化の背景

自転車は、通勤・通学や買い物等の日常生活から配達等のビジネスまで幅広く利用される身近な乗り物です。しかしながら、全交通事故に占める自転車関連事故の件数割合は2割を超えており、運転中の死亡や重傷事故のうち約4分の3が自転車側に法令違反が認められていることから、罰則強化に繋がっています。本稿では、自転車による事故から身を守るために、改正された自転車運転に関するルール等についてご紹介します。

■2024年11月道路交通法改正

自転車運転中の携帯電話使用等に起因する交通事故や自転車を酒気帯び状態で運転した際に死亡・重傷事故となる場合が多いことから、交通事故抑止のため、2024年11月から道路交通法が改正され、罰則対象になりました。

●自転車運転中の「ながらスマホ」

✓禁止事項

  • 自転車運転中にスマホで通話すること(ハンズフリー装置を併用する場合を除く)
  • 自転車運転中にスマホに表示された画面を注視すること

※なお、いずれの場合も自転車が停止しているときを除く

✓罰則内容

6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金。
なお、交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合は、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金となります。

●自転車の酒気帯び運転、ほう助

✓禁止事項

  • 酒気を帯びて(血液1㎖につき0.3㎎以上又は呼気1ℓにつき0.15㎎以上のアルコールを身体に保有する状態で運転すること)自転車を運転すること
  • 自転車の飲酒運転をするおそれがある者に酒類を提供すること
  • 自転車の飲酒運転をするおそれがある者に自転車を提供すること
  • 自転車の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、自転車で自分を送るよう依頼して同乗すること

✓罰則内容

違反者、自転車の提供者は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。酒類の提供者・同乗者は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金となります。

●こんな運転も禁止です!

  • 傘さし運転(5万円以下の罰金等)
  • 2人乗り(5万円以下の罰金。都道府県公安委員会規則規定で認められている場合を除く。)
  • 併進運転(2万円以下の罰金又は過料。「併進可」の標識があるところを除く。)
  • イヤホンやヘッドフォンを使用するなどして安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態での運転(5万円以下の罰金)

■2026年4月から「青切符」による取締まり

従来、自転車における軽微な違反行為は「注意」で済まされていましたが、2026年4月から違反者に対して反則金を納付させる、いわゆる「青切符」による取締まりが開始されます。

今後、信号無視や「ながらスマホ」等、重大な事故につながる違反行為に対しては、重点的に取締まられることが予想されます。「知らなかった」では済まされなくなるため、自転車運転のルールを正しく理解し安全運転を心掛けましょう。

(岡村俊幸)